5、ステバルト弁機関車
Locomotive for the Belgian State Railway
【"Engineering" 1871年、12月より】
図の機関車はMaline造兵廠製で、去年ベルギー国鉄の1/33勾配を持つ、Leage〜Ans間に就役したものである。
その区間で200tを牽引するためのものである。
さらに最近5両の同型機が私立工場で製造され、
現在これらは旧来のケーブル牽引による運行に取って代わっている。
当機関車は外側気筒で18.875インチ(直径)
【480mm】×21.625インチ(行程)
【550mm】。
3フィート3.5インチ
【1004mm】動輪を8輪連結。
車軸間距離は4フィート11インチ
【1500mm】で総ホイールベースは14フィート9インチ
【4500mm】である。
缶直径は4フィート6.75インチ
【1391mm】、煙管は外径1.77インチ
【45mm】で251本、長さは12フィート10.5インチ
【3927mm】である。
火室伝熱面積は121.5平方フィート
【113u】、煙管面積は1358.5平方フィート
【1263u】なので、合計1480平方フィート
【1376u】になる。
缶圧は120 lb./平方インチ
【mm】。
水タンク容量880ガロン
【395リットル】、石炭積載は78立方フィート
【2.2立方m】、運転重量は49.5tである。
この機関車は見ての通り、いくつかの注目すべき特色がある。
第一に火床が異常に大きく、ベルペア式になっており、上部は水平、断面は台形になっており、
その下辺は車輪の上に覆いかぶさっている。
この方法により火床は長さ7フィート4インチ
【2236mm】、幅5フィート9.5インチ
【1766mm】、面積43平方フィート
【40u】を確保している。
別な特色は弁駆動装置である。
これは一応はワルシャート弁なのだが、偏心装置が無いのが変わっている。
ワルシャート弁に於いて加減(揺れ)リンクの動きは
偏心輪又は外側に突き出した偏心クランク(返りクランク)によって動かすのだが、
この機関車では機関車を横切って連絡している反対側の気筒のクロスヘッドから取っているのである。
仕掛けはこの絵図でわかるであろう。
なお弁室カバーは斜めになっているが、これは弁室の保守点検を楽にするためのものである。
(ブレーキ関係の説明翻訳を省く…鈴木)
この機関車はベルギー国鉄技師長のBelpair氏の指揮のもと、Stevart氏が設計したものである。
Stevart弁に関して(鈴木)
ワルシャート弁では機関車の前後進とカットオフの大小を決める加減リンクの動きを
ピストンクランク位相と90度ずらした返りクランクで行うのが普通である。
しかし、2気筒の蒸気機関車のクランクの左右位相差は普通90度なので、これを利用すれば
例えば左気筒の加減リンクは右気筒のピストンの動き(実際にはクロスヘッドの動きだが)を利用し、
右気筒のは左ピストンを利用できる。
(なお、この場合ワルシャートに付属するクロスヘッドを使ったラップ&リードレバーはそのまま使う。)
以上の発案は少なくとも蒸気機関車に於いては1870年のステバルト氏によるようです。
ただし、船舶や定置エンジンにより古いものがあったか?は不明です。
1906年、英国の技師Richard Deeleyは同種の機関車用弁装置の特許を取ってます。
また英国のChurchward も同種の弁装置を持った機関車を作ってます。
http://www.flickr.com/photos/kotaroooo/62352690/
上記で4気筒すが、この場合外側2気筒は無視して、内側2気筒が左右同志のクロスヘッドを相互利用しているのがわかります。
逆転機(図の右はじ)を操作すると、ラジアスロッドが左右で逆方向に移動します。
米国ではyoung式の名前で同種の弁装置を持った機関車があるようです。
http://www.steamlocomotive.com/northern/upstorage.shtml
http://www.steamlocomotive.com/northern/up5511-2.jpg
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